バイク購入までの軌跡1
僕が初めてのバイクを買った時の浮き沈みするお話。全7回です。こちらのページ下部で一覧を用意しています。
バイクは男らしさの最高峰、という勘違いが全ての始まり
子供の時からバイクというのは最も男性らしさを感じる部分であると誤認識していたワタクシですが、これがいつしか「モテる」と勘違いし出したのは高校生の時です。勘違いから何かが始まるというのはよくある(?)話ですが、僕の場合はそれがバイカーへの道でした。
「バイカー」とか言ってますけど、特にレーサーになりたいわけでもなく、トライアルバイクを始めたいわけでもなく、単に「バイクに乗りたい」というだけで、それ以外は「モテたい」の塊がココロを覆い尽くしていました。まぁ、モテたいとかカッコよくなりたいというのは今も変わらんわけですが^^;
さて、大人になっても思うことですが、一度何かを欲しいと思い出すと留まることを知りません。雑誌に欲しいものが載っていたらずっとそれを見てますし、ネットもしかり。あっという間に時間が経ってしまいます。当時の僕は「ヤングマシン」という雑誌をずっと読んでおり、足をバタつかせながら
と雑誌に向かいオツユを飛ばしながら叫んだものです。(叫ぶのみで当然叶わず)
当然ながら「そんなに悩むなら買ってしまえ」という思考は、当時の自分の経済力を考えると、とても通用はしませんし、高額な買い物ですから今でもそれは同じ。と考えると、高校生の身分でできることと言えば、「バイトしてローンでバイク買う」というものでした。
色々なものを「アカン」で片付ける父
もちろん自分の欲しいものですので、親に買ってと頼む気はサラサラありませんでしたが、未成年がローンを組むとなると、どうしても保護者、つまり親の保証が必要になるわけです。
ただ、父はクソが100以上付くぐらいマジメ・・・であれば、突破口が0ではないわけですが、「未知のモノに関してはセコム以上にガードが固い」ため、何をお願いするにも有無も言わさず「アカン」と言います。過去にはこんなことがありました。
スーファミ(小6)
当時大流行していたファミコンの後継機「スーファミ」。当然欲しいと思った僕と弟は都合よく訪れたクリスマスに「スーパーファミコン下さい」とサンタ様にお願い。すると翌朝、枕元にはなぜか「新品のファミコン」があり、「スーパー」は付いておらず。
暗黙の了解というか空気を読んだというか、当然「父サンタ」に「スーファミ」に変えろとは言えず、一年間我慢。徐々にソフトもスーファミがメインとなってきたので、買ってくれと父に直訴すると、「ファミコンがあるやろ。まだ新しいやないか。そんなん買わんでエエ。」と一刀両断。
さすがにムカついた我々は正月でいただいたお年玉を財源に、スーファミを母の裏承認を得て購入。ただ、家には置けないので当時近くに住んでいた祖母の家に置き、週末にゲームをやりに行くという形態をとることに。
数年後、祖母と家族が同居することになり僕の部屋にシレっとスーファミを設置。過ぎ行く日々の中で「もうバレたやろな」と思っていたところ、ある日父が僕の部屋でテレビを見にやってきた時に「オマエ、それはなんや!!」と激高。
「遅っ」と思いながらも説教を聞きその日はゲームをせずにやりすごす。次の日、母が父にシバかれたと聞き「父嫌い」に。以後モノを頼みづらい関係となる。
ビデオデッキ(中3)
「アレ」が自室で見たいので、「スーファミ」の経緯もあることからコツコツためた小遣いとお年玉で購入の決意を伝えるが、すんなりと許可を得れず。理由を聞くと、「高いからアカン」と言うので、「貯めましたけど」とアピールすると「自分で稼いだお金じゃないやろ」「そんなモン必要ない」と言われる。(中3でどうやって稼げというのだ)
しかし「新聞配達したらエエんか、オッサン」「要るか要らんかをオマエが決めるな」と思い一歩も引かず強引に購入に至る。その後、弟がアッサリ「マイビデオデッキ」を買ってもらっているのを見て父子の溝が深まる。
「ケチのつけようがない状態」が作れない状況に
上記のような経緯から、バイクを買うにあたっては当初の予定通り実費であるというのは必須。それにあわせて父にとって未知の商品であるため、買うための意思表示は慎重に、というスタンスもこれまた必須というわけです。
しかし、父がバイクを「買ってエエ」と言う姿をどうも想像できません。果たして許可が下りるのだろうか否か、一人で考えていても一向に答えが出ない為、とりあえずはバイトをする意思を父に伝えました。すると
「オマエは大学行くから受験勉強せなアカン。長期のアルバイトは禁止や」
と大学行きたいとも言っていないのに、受験勉強の指令が下ったのです。ただ一方では
「夏休みだけとかの短期やったらエエけどな。高校3年になるまでやったらかまへん。」
と規制緩和の一言。ですが、短期だけだと中型バイクの額に届かすには結構厳しく、高1の初めにこのやり取りがあったので、そこから夏・冬・春の休みで稼ぐしかなくなるわけです。僕の中でも大学に行こうとは考えてませんでしたが、一応進学を予定していたのでバイトは高2の終わりまでだと思ってました。
長期であれば「月5万稼いで・・・テスト期は無理やけど夏休みとかバイト入りまくったら一年で30万ぐらいは貯まるかな。んで中古バイク買って・・・。」という皮算用ができます。
短期の場合はこうはいかず、割のいいバイトを知らなかったため到達不可能と断念。門限も夜9時というお嬢様よろしくなお時間を設定され、もはやガンジガラメ。こういう状況から、中型バイクを買う為の「自分で稼いだお金」を用意するのはほぼ無理となりました。
「工場」の短期バイトで「妄想王手」
しかし、バイクといっても色々あり、ここで原付の存在に注目してみました。自転車から原付に移動手段が変わった何人かの友人が原付に乗っている姿を見てますので、便利さや快適さや楽しい体験談は当然耳に入ってくるわけですから、あっという間にターゲットが原付に変わりました。
新車や中古など選択肢は色々ありますが、とりあえず10万稼いどけば何とかなるという情報を友人Mから教えてもらい、これを夏の短期バイトでドンと稼いでやろうと考えたわけです。
で、さらにここで稼ぐ手段としてMから「工場のバイトなら10万ぐらいイケル」という情報をもらったので、情報収集がトントン拍子で進んでいきました。計画としては、テスト休みと夏休みを合わせると約二ヶ月ほど働ける計算で、Mが持ってきた工場の日当は確か7000円。
ということはこういう計算が成り立ちます。
- 7000円×5日間×5週間=180000円
※テスト休みは7月3週目から、8月は盆休みで一週間抜けるので全部で5週間という計算です。
「これはこれは・・・楽勝で原付買えるじゃないっすか!」とこの皮算用を見ると誰しもが考えると思います。そーです、想定している日数より一週間短くなっても、10万はカタイ。いわゆる「原付王手」を想像できるところまで来たのです。(注:王手は稼いでからです。)
しかし、こううまくシナリオは進まず、僕は違う道に逸れてしまうのでした。
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